フェラーリ・ファンではなくても、スケドーニの存在を知る人は少なくないはずだ。
シートカバーなどフェラーリ車の内装に使われる革や、フェラーリ関連のレザーグッズのほとんどは、このファクトリーブランドの製品なのだから。
スケドーニの歴史は1880年、チェルソ・スケドーニ氏が伊モデナ近郊フォルミジーネでハンドメイドシューズの工房を開いたときから始まった。
1976年に3代目のマウロ・スケドーニ氏がエンツォ・フェラーリ氏と出会ったことがきっかけとなり、のちにフェラーリの皮革製品部門における公式メーカーとしてカスタムレザー製品のデザイン・製造を任されることとなった。
また、1983年からはフェラーリのF1レーシングカーのシートカバーのデザインと供給も手掛けるようになり、その存在は世界中に広く認知されていった。ちなみに同社は革のなめし工場も所有しているそうだが、革製品ブランドで、こうした例は大変珍しい。
ところで、スケドーニはすでに1960年代には鞄の本格生産を手掛けており、1988年に故ヨハネ・パウロ2世にスーツケースを献上もしている。
そして現在でもモデナの自社工房において、トップグレードの皮革を使い、熟練職人たちが伝統的な技術を駆使し、ハンドメイドの高級鞄を生み出しているのだ。